ビジネスシーンに適したネクタイの結び方を知っておきたい。
パーティーや友人の結婚式でできる、普段とは違うネクタイの結び方は?
カジュアルな場で、ネクタイでオシャレに遊んでみたい!
こんな風に考えている男性は必見です。
この記事では、基本からオシャレまで様々なネクタイの結び方をマスターするとともに、それぞれの結び方に合ったネクタイやシャツの種類まで知ることができます!
- ネクタイの基礎知識から解説
- ビジネス向きのシンプル結びからパーティーやカジュアル向きのオシャレ結びまでを網羅
- ネクタイの結び方に合わせたネクタイ・シャツの種類も紹介
目次
ネクタイの基礎知識
まずはネクタイの各部名称、正しい長さ、ディンプルといった基礎知識を紹介します。
ネクタイの各部名称
これまで何となく使っていたネクタイの各部名称を改めて把握しましょう。
最低限、後の解説をスムーズに理解できるように「大剣」「小剣」「中継ぎ」はぜひ覚えておいていただきたい用語です!
①大剣(ブレイド)
ネクタイの太い方の剣先のことで、別名を「エプロン」といいます。
時代・国・ブランドごとに幅は異なりますが、現在英国クラシックメーカーでのスタンダードな幅は約9.5cmとなっています。
②小剣(スモールチップ)
ネクタイの細い方の剣先のことです。
現在、英国クラシックメーカーでのスタンダードな幅は約4cmとなっています。
③裏地(フェイシング)
大剣と小剣の裏側の先端部のみに施されている生地のことです。
デザインに工夫を凝らし、表地とは異なる色や柄の生地が使われているものも多いです。
④ネーム(ブランドタグ)
ブランド名が織り込まれたタグのことです。
ブランドによって、取り付けられる位置は様々です。
⑤小剣通し(ループ)
ネクタイを結ぶ時に小剣を通し、ネクタイをすっきり収める部分のこと。
ネクタイの表地と同じ生地である場合と、ネーム(ブランドタグ)がこの小剣通しになっている場合があります。
⑥中継ぎ
ネクタイを結んだ時に首周りにくる、ネクタイのおよそ中央部の生地のことです。
⑦芯地(インターライニング)
ネクタイの形がふにゃふにゃにならないように、両剣先端部以外のネクタイの内側に仕込まれている生地のことです。
タイ状にカットされた少し固い生地です。
⑧かんぬき止め(バータック)
ネクタイの裏側にある縫い目のことです。
もともとは芯地を固定するために施されていたものですが、最近ではデザイン面でアクセントとしての重要性を高めています。
⑨たるみ糸(スリップステッチ)
大剣または小剣の裏に見える輪状の糸のことです。
たるみ糸はハンドメイドのネクタイのみに見られ、ネクタイの裏側を縫い合わせた糸の余った部分です。
縫い目が緩んできたり、全体の型崩れが気になってきたりした時は、このたるみ糸を引っ張ると直せます。
正しい長さとは?
ネクタイの正しい長さは、ベルトのバックル部分にネクタイの大剣が半分ほどかかる程度が基本です。
ネクタイが長すぎるとだらしなく見え、仕事ができなさそうな頼りない印象を持たれてしまいやすいですし、逆にネクタイが短すぎるとお腹の部分が強調され、太っているように見えます。
スリムに見せたい人は特に注意しましょう。
ネクタイの素材やスーツの着崩し方によって長さを多少変えることは可能ですが、ビジネスシーンでは、スーツの着こなし方は他人からの印象を決める大事な要素となります。
就職活動や仕事、フォーマルな場では全身鏡を使ってネクタイの長さを正しく合わせるようにしましょう。
ネクタイの長さの調整方法には、結び始める前に長さを調整する方法、結び方によって調整する方法、ネクタイ自体の長さで調整する方法があります。
それぞれの方法を具体的に説明します。
結び始めに長さを調整する方法
結び始めに長さを調節する場合は、結び始めのネクタイの位置が重要になります。
後に説明する最もスタンダードなネクタイの結び方であるプレーン・ノットでは、初めにネクタイを首にかけるときに、大剣の上方にある斜めに入った縫い目を利用して長さの調整ができます。
大剣の上方にある斜めの縫い目がシャツの上から4番目のボタンの上に来るようにすると、ちょうど良い長さになります。
結び方によって長さを調節する方法
結び方によって調整する場合は、後に説明するプレーン・ノットで長めに、ダブル・ノットで短めにできます。
また、変形プレーン・ノットは長さの調節も自由自在にできるうえ、初心者でも簡単に結べるようになっているのでおすすめです!
ネクタイ自体の長さで調節する方法
ネクタイの標準的な全長は140cm前後ですが、長めに作られたネクタイもあります。
長めのネクタイを購入する場合の目安の長さは「自分の身長-15cm」です。
この目安の長さを大幅に超える長いネクタイは避けることが望ましいため、特に身長が低めの方は気をつけると良いでしょう。
例えば、身長が165cmであれば、長くても150cmまでの長さのネクタイを選びましょう。
ネクタイを美しく見せる「ディンプル」
出典:Pinterest
“dimple”(ディンプル)とは、「えくぼ」を意味する英単語です。
ネクタイにおいては、ネクタイを結んだ時にノット(結び目)の下にできるくぼみのことを「ディンプル」と呼びます。
ディンプルはネクタイを正しく結べば自然にできていることが多いですが、ディンプルが綺麗に作れていると襟元に立体感が生まれ、スマートで美しいスーツスタイルに仕上がります。
また、光沢のあるネクタイを着用する場合はディンプルによってネクタイの美しさを強調することができます。
綺麗なディンプル作りを意識し、より一層自分のスーツ姿をおしゃれに際立てましょう!
ディンプルにもシーンや好みに応じた様々な種類があり、それぞれ違った雰囲気を演出できますよ。
また、ナロータイではディンプルを作らなくても構いません。
ネクタイの結び方【基本編5選】ビジネスやフォーマルなパーティーに
ビジネスやフォーマルなパーティーで使えるシンプルなネクタイの結び方を5つ紹介します。
1. プレーン・ノット(フォア・イン・ハンド)
出典:Pinterest
プレーン・ノット(フォア・イン・ハンド)は、どんなシーンでも使える最も基本の結び方です。
ビジネスシーンで飾らずにいきたい時や就活時にはプレーン・ノットにしましょう。
▼動画で簡単にプレーン・ノット(フォア・イン・ハンド)のコツを掴もう!
2. 変形プレーン・ノット
出典:Youtube
変形プレーン・ノットは、先にノットを作っておいて後から首にかける簡単な結び方です。
ネクタイを結ぶのが苦手で簡単に結びたいという方に非常におすすめの結び方です!
結び目はプレーン・ノットよりやや大きくなりますが、やはりビジネスシーンに適しています。
▼動画で簡単に変形プレーン・ノットのコツを掴もう!
3. ダブル・ノット(プリンス・アルバート・ノット)
出典:Pinterest
ダブル・ノット(プリンス・アルバート・ノット)は、結び目を二重にしているところが特徴です。
幅が普通〜細めのネクタイに適しています。
ナロータイは細くてオシャレ向きなのでビジネスシーンに適していませんが、もし手元にナロータイしかなかった場合でもこのダブル・ノットで結び目を大きく作ることで、ネクタイを厚く見せることができます。
また、長めのネクタイを普通の長さに見せたい見せたいときにもこのダブル・ノットを用いるのがおすすめです。
▼動画で簡単にダブル・ノット(プリンス・アルバート・ノット)のコツを掴もう!
4. ウィンザー・ノット
出典:Pinterest
ウィンザー・ノットは、20世紀最大のファッションリーダーと言われた英国のウィンザー公爵(エドワード8世)にちなんだ結び方です。
彼が使用していたネクタイには特別な芯地が施され、結び目はふっくらと大きいものでした。
ウィンザー・ノットはこの結び目を再現した結び方で、英国調でクラシカルな雰囲気を帯びます。
結び目が横幅の広い三角形になるのが特徴で、結婚式などの華やかかつフォーマルなシーンにおすすめです。
▼動画で簡単にウィンザー・ノットのコツを掴もう!
5. セミウィンザー・ノット
出典:Pinterest
セミウィンザー・ノットは、ウィンザー・ノットの手順を一つ省略した、より気軽にブリティッシュスタイルを楽しめる結び方です。
ウィンザー・ノットよりも結び目のボリュームを少し控えめしたい場合におすすめです。
▼動画で簡単にゼミウィンザー・ノットのコツを掴もう!
ネクタイの結び方【応用編8選】パーティーやカジュアルな場でネクタイに遊びを
パーティーやカジュアルなシーンでネクタイの結び方を普段と違うものにして楽しみたいなら、是非今から紹介する8つの結び方にチャレンジしてみましょう!
1. エルドリッジ・ノット
出典:Pinterest
エルドリッジ・ノットは、いくつもの折り返しのある華やかで美しい結び方です。
パーティー、合コン、デートなどのコミュニケーションが多く求められる場では、この結び方を会話のきっかけにできますね!
▼動画で簡単にエルドリッジ・ノットのコツを掴もう!
2. トリニティ・ノット
出典:Pinterest
トリニティ・ノットは、結び目が3つの部分から成る太巻きでおしゃれな結び方です。
シンプルなデザインのネクタイにはもちろん、柄物にも似合います。
▼動画で簡単にトリニティ・ノットのコツを掴もう!
3. クロス・ノット
出典:Pinterest
クロス・ノットは、斜めに交差させたような結び目によって、さり気ないおしゃれ感を演出できる結び方です。
▼動画で簡単にクロス・ノットのコツを掴もう!
4. スモール・ノット(オリエンタル・ノット)
出典:Pinterest
スモール・ノット(オリエンタル・ノット)は、結び目を小さくする結び方です。
ニットタイなどの厚手のネクタイの結び目をスッキリと見せたい場合などにおすすめです。
▼動画で簡単にスモール・ノット(オリエンタル・ノット)のコツを掴もう!
5. ノン・ノット(アトランティック・ノット)
出典:Pinterest
ノン・ノット(アトランティック・ノット)は、結び目の存在感を消した、遊び心ある結び方です。
▼動画で簡単にノン・ノット(アトランティック・ノット)のコツを掴もう!
6. メロヴィング・ノット
出典:Pinterest
メロヴィング・ノットは、フランスのメロウィング朝発祥の結び方です。
なんと言ってもネクタイの中にネクタイがあるような一風変わった見た目が特徴的で、大剣と小剣のデザインが異なるネクタイの良さを余すところなく引き出せます。
▼動画で簡単にメロヴィング・ノットのコツを掴もう!
7. トリプル・ノット(ヴァン・ウェイク・ノット)
出典:Pinterest
トリプル・ノット(ヴァン・ウェイク・ノット)は、ダブル・ノットの派生形です。
ぐるぐると巻きついたような見た目で、落ち着いた雰囲気ながらセンスが溢れています。
結び目は縦長で大きいので、薄手のネクタイを使うのがおすすめです。
▼動画で簡単にトリプル・ノット(ヴァン・ウェイク・ノット)のコツを掴もう!
ディンプルの種類・作り方
ディンプルとは、ネクタイの結び目の下にできるくぼみのことでしたね。
ここでは、基本からアレンジまで、3種類のディンプルの作り方を紹介します。
1. シングル・ディンプル(センター・ディンプル)
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シングル・ディンプル(センター・ディンプル)は、ネクタイの中央に一本だけくぼみを入れたシンプルなもので、どんなシーンでも使える基本のディンプルです。
作りやすいので、初心者はまずこのディンプルからマスターすることをおすすめします。
ビジネスシーンで求められる堅く清楚な雰囲気を演出できますよ。
2. ダブル・ディンプル(三つ折り/サイド・ディンプル)
出典:Pinterest
ダブル・ディンプル(三つ折り/サイド・ディンプル)は、パーティーや結婚式の披露宴などの華やかなシーンに向いているディンプルです。
ネクタイの両端2箇所にくぼみを作り、中央をふっくらとさせるのが特徴で、結び目が大きなウィンザーノットやパーティー向けのノットなどに似合います。
エレガントな雰囲気を演出でき、会場で周りと差をつけるのにおすすめです。
3. アシンメトリー・ディンプル
出典:Pinterest
アシンメトリー・ディンプルは、シングル・ディンプルと同じ作り方ですが、位置をあえて左右どちらかにずらす小粋なディンプルです。
ジャケパンなどのカジュアルスタイルでオシャレな雰囲気を演出したい上級者は是非トライしてみましょう!
▼動画で簡単にディンプル作りのコツを掴もう!
ネクタイの結び方に応じたネクタイとシャツの種類
せっかくネクタイの結び方にこだわるのなら、その結び方が綺麗に映える種類のネクタイとシャツを選びたいですよね。
結び方に合うネクタイの種類
ネクタイの幅や柄がどの結び方に似合うのかを見ていきましょう。
ネクタイの幅
ネクタイを幅で分類すると、細幅のものがナロータイ、標準的な幅のものがレギュラータイ、太幅のものがワイドタイです。
ナロータイは、細いのでスタイリッシュに見えビジネスシーンにはあまり適していません。
スタイリッシュさを残しつつもノットを大きく見せられる結び方が良いでしょう。
- ダブル・ノット
- トリプル・ノット
また、ワイドタイやニットタイなどの厚手のものは、結び目が大きくなりやすいのでノットで遊ぶのにあまり向いていません。
シンプルな結び方か、ノットを小さく見せられる結び方が良いでしょう。
- スモール・ノット
- ダブル・ノット
- ウィンザー・ノット
- セミウィンザー・ノット
- トリプル・ノット
ネクタイの柄
以下の華やかなノットには、柄物が特に似合います。
- トリニティ・ノット
- メロヴィング・ノット(大剣と小剣が柄違いのものは特に似合います!)
その他の珍しい結び方やノットに筋が入るような結び方は、ノットが際立つよう、シンプルでシルクなどの光沢があるものが似合うことが多いです。
- エルドリッジ・ノット
- クロス・ノット
- トリプル・ノット
名前のあがっていない結び方は、基本的にどんな種類のネクタイにも似合います。
特に柄物を使用する場合はシーンにふさわしいものを選びましょう。
結び方に合うシャツの種類
シャツを襟の広さで分類すると、襟の狭いものがボタンダウン、狭め~普通のものがレギュラーカラー、広めのものがワイドカラー、さらに広くて水平に近いものがホリゾンタルカラーとなります。
小さい~普通のノットにはレギュラーカラーまでが適しています。
- スモール・ノット
- 変形プレーン・ノット
大きめのノットには、ワイドカラー以上が適しています。
- ウィンザー・ノット(ホリゾンタルカラーも似合います!)
- エルドリッジ・ノット
ネクタイの結び方まとめ
お気に入りのネクタイの結び方は見つかりましたか?
ネクタイは、スーツの中で最も自由にアレンジの効くパーツです。
男性は何かとスーツを着る機会が多いもの。
長い付き合いになるスーツだからこそ、シーンにふさわしい範囲でネクタイの結び方をアレンジし、スーツファッションをより一層楽んでみてはいかがでしょうか。