体臭の原因は男性ホルモン?誰でもできる体臭対策が知りたい!

体臭を気にしている男性

男の体臭が強いのは、男性ホルモンのせいなの?
本当は男性こそがニオイに気を使わないといけない?
でも毎日入浴はちゃんとしてるのに…これ以上どうしろって?

こんな風に思ったことはありませんか?

まずは自分のニオイの正体を確かめ、そしてそれに合った改善方法を知りましょう!

この記事の見どころ
  • 男性ホルモンが体臭に与える影響を誤解なく説明
  • 全男性が気をつけるべき体臭を種類ごとに詳しく説明
  • 誰でも低コストで気軽にできる対策

体臭の原因は男性ホルモン?

体臭の原因は男性ホルモンと言われていますが、本当にそう言い切れるのでしょうか?

男性ホルモン(アンドロゲン)には様々な種類がありますが、そのなかのひとつであるテストステロンは、男性ホルモンの働きの大部分を占めています。
なので、男性ホルモン≒テストステロンと考えることができます。

このテストロテンは発汗を促すので、大量の汗の原因となります。
しかし、汗自体は実は無臭なのです。汗が皮脂と混ざり、菌による化学反応が起こって初めて体臭が発生します。

つまり、男性ホルモンが多ければ汗の分泌も多くなるので体臭が強くなる環境は整います。
ですが、男性ホルモン体臭の唯一の原因になっているわけではないのです。

体臭対策として、男性ホルモンのバランスを調整する以外にも、手軽に始められることがあるようですね!

ご存知ですか?「スメルハラスメント」

最近話題となっている企業での問題に、「スメルハラスメント」、略称「スメハラ」があります。
「ハラスメント」とは、「嫌がらせ」という意味です。

このスメルハラスメントは、本人には自覚がなく悪気もないので、周りも指摘しづらいものです。

またセクハラやパワハラとは違って、悪臭は口を閉じていても関係なく漂うので、職場以外の、通勤時や家庭でも人がそばにいる限りはハラスメントになってしまいます…。

臭いと言われたことがないから、自分は大丈夫だと思っていませんか?
原因はわからないけれど、職場や家族との間に溝を感じることがありませんか?

もしかしたら、周りが言いにくくて黙っているだけかもしれません。

さきほど説明した男性ホルモンのテストステロンは、男性の体内では、なんと女性の10~20倍もの量が生成されています。

また、男性は女性よりも汗腺の働きが活発です。

男性が女性よりも体臭が強くなりやすいのは、男性に特有のホルモンや汗腺の働きが原因だったんですね。

ですから、男性が体臭に気をつけることは大変重要なんですね。

男性はニオイに鈍感?

実は、男性の嗅覚は、女性の嗅覚と比較すると鈍感なんです。

動物行動研究家の竹内久美子氏は、その理由を次のように解説しています。

動物行動学的・進化論的説明では、人間も含め、原則として動物はメスがオスを選びます。
例えば人間では、女性は一度身籠ると、出産、授乳、子育てとやるべきことが次々と控えるので、次の子を得られるのは数年先になります。
一方の男性は、数日後あるいは数時間後にでも次の子を得ることができます。
この違いから、女性は慎重に相手を選び、できるだけ質のよい男性の子どもを得ようとします。
こうして、女性は相手の質を見極める能力を高めてきました。ニオイの感じ方も例外ではなく、女性のほうが敏感になったのです。

参照:Seachina

また、ブラジル・リオデジャネイロ大学のロバート・レントらによる研究(2014年)では、以下のことが判明しました。

嗅球(脳の嗅覚の情報処理に関わる脳の組織の細胞数)は女性のほうが男性より43%多く、嗅球の神経細胞(ニューロン)の数は50%多い。具体的に女性の嗅覚が男性の何倍敏感なのかは不明ですが、単純に1.5倍か、細胞数の違い以上に感度の違いがあればさらに嗅覚の敏感さに差が出る可能性がある。

参照:カラパイア

ということは、男性は自分では体臭を感じていなくても、周りの女性はあなたのニオイに気づいているかもしれません。

女性と近い距離や同じ空間で接する機会がある方は特に、エチケットとして体臭に気をつけていきたいですね。

あなたの体臭はどこから?

さきほど少し説明しましたが、体臭の直接的な原因は男性ホルモンとは限らず、様々な原因が考えられます。
原因が違うなら、それに応じて改善方法も変えなければなりません!

体を洗っているから、香水をつけているから大丈夫、というわけではないのです。

ひとくちに体臭といっても実は様々な種類があり、それぞれ原因も違います。

まずは早速、自分の体臭の種類を知ることから始めましょう!

定番のすっぱい悪臭!「ワキ汗」

代謝が活発な10代半ば~20代半は、「ワキ汗」が特に強くなる年代です。
この年代は最も新陳代謝が活発だからです。

私たちの身体には、ワキなどの特定の場所にのみ存在して汗を分泌しているアポクリン汗腺があります。

さきほど説明した男性ホルモン・テストステロンの働きが活発だと、このアポクリン汗腺が活性化されて多量のワキ汗が分泌されます。

また、毛穴とつながっている皮脂腺からは皮脂が分泌されます。

こうして皮膚の表面に出てくる汗と皮脂ですが、この段階では実はニオイはしません

ですが皮膚の表面で待っている常在細菌が、汗と皮脂を分解(代謝)します。
この分解後の物質がすっぱい悪臭を放つのです!

10代半ば~20代半は特に対策が必要ですが、その他の年代でもワキ汗はかくので、全世代が対策する必要があります。

この体臭、知ってましたか?「ミドル脂臭」

30代半ば~50代半ばは「ミドル脂臭」が特に強くなる年代です。

ミドル脂臭」は、2013年に男性化粧品メーカーのマンダムが発見して名付けた、この年代に顕著にみられる体臭です。
今まで加齢臭と一括りにされていました。

40歳前後で、男性の汗をかきやすい場所はワキから頭部へと変わっていきます。

全身に存在するエクリン汗腺から分泌された汗に含まれる乳酸は、常在細菌に分解されてジアセチルという悪臭を放つ成分になります。
ジアセチルは揮発性のため、口臭の1.4倍足臭の1.5倍ほどニオイを感じやすくなっています。

一方で皮脂も、さきほどのワキ汗と同様に分解されていますがやはり悪臭ではありません。

しかしこれがジアセチルと混ざり合うと、より強烈な、油っこく生ゴミのような悪臭が発生してしまうのです…。これが「ミドル脂臭」です。

しかもなんとこのミドル脂臭、皮脂に溜まりやすいんです。なぜなら40歳前後で頭の皮脂がネバっとしたものに変わり、ニオイが絡みつきやすくなるからです。

お父さんといえばやっぱり…「加齢臭」

50代半ばからは「加齢臭」がニオいはじめます。

理由は、年をとるにつれて皮脂に多く含まれるようになるパルミトレイン酸という成分にあります。

このパルミトレイン酸は、皮膚の表面に出て酸化されたときに枯草のようなニオイを放ちます。これが「加齢臭」で、主に体幹から発生します。

体臭ごとに狙いを決めて対策を!

自分の体臭の正体がわかったところで、対策にうつりましょう!

「ワキ汗」の改善方法:ポイントは「事前予防」!

ワキ汗の臭いは、汗が常在細菌に分解されなければ発生しないんでしたね。

ということは事前に手をうっておき、そもそも汗をかく量を少なくすれば良いのです。

その方法は、汗をかく前にデオドラントを使うことです!

ワキなら特に直接塗ることができる、スティックタイプやロールオンタイプのデオドラントが向いています。

また、それでもワキ汗はかいてしまいますから、ワキ汗をかいてしまった後も、常在細菌・汗・皮脂をボディーペーパーで拭き取るようにしましょう。

「ミドル脂臭」の改善方法:ポイントは「シャンプー」!

ミドル脂臭はなんといっても頭部から発生する体臭ですから、頭皮・頭髪を清潔に保つことが改善への一番の近道です!

シャンプー選び

まずは、シャンプー選びから。

最近はミドル脂臭対策向けのシャンプーが販売されるようになっています。

具体的には、強烈なニオイとともに頭部毛穴に蓄積したネットリ皮脂を落とすため、ディープクレンジング処方のシャンプーを選ぶと良いです。

ただ、良いシャンプーを使っても洗髪方法が悪ければ効果は出ません。

そこで次に、効果的な洗髪方法を説明します。

頭皮・頭髪の洗い方

頭を洗う際の重要な心得は、「頭皮」をメインに洗うことです!
清潔な頭皮は良い育毛環境のためにも欠かせません。

手順1
下準備
髪をとかして髪や頭皮の汚れを浮き上がらせておくと良いです。
ブラシが手もとになければ手ぐしでも大丈夫です!
手順2
シャンプー前に
シャンプーをつける前に、お湯を頭皮にしっかり届かせるため、シャワーを頭皮に垂直になるように当てて洗い流します。
手順3
シャンプー
シャンプーを泡立てて頭全体につけます。
斜め下を向き、襟足・もみあげ・顔周りの生えぎわから、後頭部・頭頂部にかけての順で洗います。

爪を立てずに指の腹を小刻みに動かしてやさしくマッサージするように洗うと、頭皮が傷つきません。

豆知識ですが、自分の頭皮・頭髪がどれくらい汚れているかは、なんとシャンプーの泡立ち具合から判断できます!
もしあまり泡立っていなければ、ここまでに説明した洗い方でもう一度洗い、次回からは長めに時間をかけて入念に洗うようにしましょう。

手順4
拭き取り
シャンプーが終わって水分を拭き取るさいも、「頭皮」を拭き取ることを意識してください!
手順5
ドライヤー

自然乾燥や生乾きでは、雑菌が繁殖して頭の臭いが悪化し、ここまでの努力の成果が半減してしまいます。ですから、短髪でもできればドライヤーを使うべきです。

ドライヤーの効果的な方法は、頭から20cm程度離し、同じ場所に3秒以上当てないよう常に動かしながら行うことです。

「加齢臭」の改善方法:ポイントは「消臭」!

入浴時は、消臭成分の配合されたボディシャンプーを使いましょう。
加齢臭は主に体幹から発生するニオイでしたね。なので手の届きにくい背中は特に洗い残しがないようにしてください。

また、加齢臭は皮脂成分が酸化することで発生するので、ボディペーパーで皮脂をこまめに拭き取りましょう。

そして衣類にはニオイが蓄積しやすいので、とくに洗濯できない衣類には衣類用の消臭スプレーをかけましょう。

その他の体臭について

上記では、汗と皮脂が関係する3大体臭であり、どんな男性でも気をつけなければならない体臭の種類と、それらを改善する方法を紹介しました!

その他の体臭には次のようなものがあります。

ダイエットをすると発生する「ダイエット臭」

ダイエット臭は、食事制限によってニオイのあるケトン体という物質が発生することが原因です。

独特の甘酸っぱい体臭がします。

改善する方法としては、まず、食事面では、野菜果物大豆海藻類を摂取することです。これは、ダイエット臭の予防になります。

もう一つは、ダイエット中に運動を取り入れることです。ケトン体は運動によって消費されるからです。

ダイエット臭は、体の代謝が正常に機能していないことを意味しているので、大変危険なシグナルです!

疲れたときに発生する「疲労臭」

疲労臭は、疲れたときにアンモニアが発生することが原因です。

ツンと鼻につく体臭がします。

これは、入浴時に湯船につかるようにするなどの方法で改善できます。

できることなら、疲労臭がしないほどに疲れない生活を送りたいものですね。

生活習慣の乱れによる体臭

悪い食生活や喫煙・飲酒、運動習慣が原因となって体臭を強めることがあります。

改善できる方法は、野菜食物繊維、りんご・ブルーベリーなどの抗酸化作用のある食物を摂取するように心がけたり、タバコやお酒の量を見直したりすることです。

また、運動して汗をかくことでも改善できます。汗腺の機能が向上し、ニオイにくい汗になります。

病気による体臭

上記のどれにも当てはまらない場合、病気のサインになっていることがあります。早急に医師の診断を受けましょう。

このようにその他の体臭は重要な健康のバロメータになっているので、是非参考にしましょう。

まとめ

男性ホルモンは汗の分泌量を多くします。男性に特有のホルモンや汗腺の働きによって、男性は女性よりも体臭が強くなりやすいんでしたね。ですから、男性が体臭に気をつけることは大変重要なんですね。

ですが、男性ホルモンが体臭の絶対的な原因ではありません。

男性ホルモンのバランスを調整する以外にも、手軽に始められる体臭対策がありましたね!

最近「スメルハラスメント」も企業で問題に挙がっており、周りが言いにくくて黙っているだけで、自分も知らず知らずのうちに「スメハラ」をしてしまっているかもしれませんでしたね。

ひとくちに体臭といっても実は様々な種類があり、それぞれ原因も違います。

汗と皮脂が関係する3大体臭は、

  • ワキ汗
  • ミドル脂臭
  • 加齢臭

でした。

これらはどんな男性でも気をつけなければならない体臭でしたね。

10代半ば~20代半では「ワキ汗」が盛んに発生し、事前予防によって改善できます。
30代半ば~50代半ばでは「ミドル脂臭」が発生し、シャンプーによって改善できます。
50代半ばからは「加齢臭」が発生し、消臭によって改善できます。

また、上記以外の体臭は重要な健康のバロメータになっているので要注意です。

それでは、今回の記事で紹介した方法を参考にして、人と関わるときに自分の体臭を気にしなくていい、快適な生活を送ってくださいね!